ちまおblog

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ゼンショーの業績要因と今後の予想

○業績に大きく影響を与える指標
・為替(ドル円)
ゼンショーHDのすき家に使う輸入アメリカ牛肉、はま寿司の寿司ネタ調達は多くが輸入ネタ、ココスの牛肉はアメリカ、カナダ、オーストラリア、メキシコなどの輸入…
為替が業績に与える影響は大きい
 
ドル円為替レート
 
・食品やコモディティの価格
現在(2022/10/16)世界中でインフレが起こり高止まりor加速している
世界から色んな食料品、材料、原料、コモディティを輸入し加工してお客さんに届ける業界のため、これら指標が業績に与える影響は大きい。特に牛肉。
 
食品やコモディティの価格推移
 
牛肉価格推移
 
・電気、ガス代金
近年、電気やガスを作る際にもインフレの影響が出ており価格がじわり高騰している
石油石炭火力にいまだ依存中の日本はその影響を受ける
飲食店は電気、ガスどちらも沢山使うため、動向は見逃せない
 
電気、ガス代 平均販売単価
 
・人件費
飲食店はアルバイトのなかでも大変と言われ嫌煙されやすい
平均より高い時給じゃないと人が集まらないこと、若い世代の人口減少など課題は山積みだ
人件費推移も業績に影響するだろう
 
バイト、パート人件費(時給)
 
・コロナによる給付金など
現在、コロナ給付金に業績が助けられている節がある。
ゼンショーは前回決算より
新型コロナウイルス感染症に対する緊急事態宣言期間以外において支給された協力金等 5,686 百万円を営業外収益補助金収入として計上」
と公表している。
同時期の当期純利益は4,428百万円であるため、コロナ給付金がなければ赤字だった可能性が高い。ただ、時短などもしているため一概には言えないが、業績に与える影響はとても大きい。
 
都道府県別給付金
 
これに関してはコロナの感染者数や都道府県別で違いが大き過ぎるため全てを追うことは難しいだろう
そして不確実性が大きい
 
○インフレで日本の消費者が行き着くところは
日本は現在、プチスタグフレーションに陥っているのではないかと考える。
賃金は上昇していないが、食料品、光熱費など多くのものがインフレしている。
購買力はそこまで変わらないものの、インフレが加速すると消費者はどこに向かうだろうか。
インフレが加速するなら早めに買って楽しんでおこうとするのが現在CPIが8%ほど上げているアメリカ、欧州あたりだ。発展途上国はなおさらである。だからインフレの加速が半端ないし、それに応じて高速消費すると思われる。
ただ、日本は長年のデフレ時代からこのような考え方をしない人が多いのではないだろうか?
むしろインフレで値段上がっているし、あまり価格転嫁されていない安いモノを選択しそうである。
そう考えると、まだ価格転嫁されていない商品に消費者は食いつき続けたり、いままで食べていたものが高くなれば、諦めてより安い食べものに嗜好を変化させるのではないだろうか?
そしてまだ価格転嫁されていない商品の売上が増え、それに依存し続ける消費行動をとるかもしれない。意外と人は変化することを嫌うし、日常を変化させるのは億劫でもある。
いつものお店で短時間でランチを済ませ、いつものお店で商品を安く買い夕食を食べる暮しを続けていく。そしてたまには美味しいものを食べにいく。
 
つまるところインフレの状態でもデフレマインドはそう簡単には改善せず、より安く美味しいものを選択しつづけるのが日本の大多数の消費者なのではないかと考える。
 
○今後の予想
短期的には原価や仕入コスト上昇だが販売価格は据え置きなため、純利益が圧迫されると考えられる。しかし、消費者の動向を踏まえると市場におけるシェア率は上昇することがメリットとして挙げられる。
また、コロナ協力給付金も少しずつ減少すると考えられる。
そうなると、より純利益は圧迫され短期的には赤字に触れる可能性がある。
そのことが嫌気され株価は下落する可能性もある。いままでは給付金によって黒字なため、業績が良いと錯覚しているライト分析層が一定層おり、それらの層が赤字によって悲観すれば売りはそこそこの規模になるだろう。
ただ中長期的に見て市場におけるシェア率が増えた状態で価格転嫁を実行すれば一定層は離れるかもしれないが、結果的に価格転嫁した価格でそこそこ多い消費者層の繋ぎ止めを実現出来そうである。また、値上げは仕方ないというマインドも大衆に浸透している可能性が高い。そうなるとコロナ給付金に頼らずともしっかりと純利益を獲得できると考えられる。また、原材料高もいつまで続いていくか不明がだが、米国CPIを見るに鈍化の兆しも見え始めているため、将来見通しは明るいと思われる。
現在の株価は割高圏だが、うまく市場におけるシェア率を増やし、適正なタイミングで価格転嫁を行い、コロナ給付金に頼らずともしっかりと純利益を叩き出せる企業であってほしい。
 
頑張れゼンショー
 
それではまた
 
 
 
【参考資料】
日本の物価は持続的に上昇するか
米飲食業界で高まる「悲観論」、大不況以来の水準に
物価高で「生活防衛株」に買い しまむら・牛丼株高値
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