ちまおblog

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米利上げの過去と鉄鋼株との相関関係

〇米利上げの過去のおさらいと現在について
毎度おなじみ、過去の金利上昇局面を示した良い画像がある。

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直近ではサプライチェーンの混乱やコモディティの高騰により、インフレ加速が起こっている。CPIや消費者態度指数は歴史的な高さを記録し、市場は行く先に不安感を示している。なのでこのインフレを少しでも改善するため、FRB利上げやQTが予想されている。  
テーパリング完了は2022年3月だ。この期間から利上げが始まる可能性が高いと市場関係者は予想している。また、比較的早い段階でQTも考えられている。これはイールドカーブが逆イールド状態となることをFRBが懸念しているからだ。
 
2022年3月から2024年3月まで緩やかに10年債利回りが上昇すると仮定するとS&P500、つまり米国株は2021年ほど伸びることは期待できないが、急激に下落して終わることは考えにくいだろう。これは市場とFRBが上手く対話できたことで始めて実現する。現在は何度も小出しにして市場に伝えているため、対話は上手くいくと個人的に予測する。
ただ、インフレを急ピッチで改善するという理由で急激に政策金利(FFレート)を上げると、1980~1994年の間に起こったような下落がS&P500にあると心構えする必要がありそうだ。QTについても同じことが言える。
 
市場はいきなり金利をグッと上げると危険と判断しリスク回避から売却するので株価は下がりやすくなる。特にその影響はグロース株に大きな打撃を与える。
多くの市場関係者は流石にFRBはやらかさないだろうと見て、金利上昇と共に株も上がる見方が多かったが、そうなるのか懐疑的な意見も増えてきた。
 
今は金融相場から業績相場へ移行する転換点。なかなか見通しを立てるのが難しいため、短期的にボラティリティの高い値動きとなりそうだ。どこまで政策金利を上げるのかということについても、今後を見るうえで大切となりそうだ。気を引き締めていきたいところである。
 
長期金利上昇局面と鉄鋼株との相関関係
金利上昇局面にてバリューや一部のシクリカルセクターは強いパフォーマンスを展開することがある。
では鉄鋼株ではどうだろうか?

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これは長期金利が上昇する局面の鉄鋼株の株価を示したものだ。
多くの場合、金利上昇局面で鉄鋼株は上昇していることが分かる。これは狙って上がっているところのみをピックアップしたのではなく、金利上昇の短い局面、長い局面どちらも取ったものだ。
これを見る限り金利上昇局面で鉄鋼株は上がりやすいことを知ることができた。
鉄鋼株は市況が大切であるが、金利上昇局面ではグロース株よりバリュー株の資金の流れの恩恵も受けている可能性がある
 
それではCPIを使い過去のインフレ局面を見てみよう。

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今回、抜き取り調査をした金利上昇局面で、インフレの動向を示すCPIが上昇していることが分かるだろうか。
とはいえ、今回は前例と同じようにはいかない。FRBのバランスシートは類を見ないほど非常に拡大しているし、今回のインフレはコロナ騒動でサプライチェーン側が原因で起こっているので、金融サイドの過熱によって引き起こされているものではないと考えられるからだ。ただ、金利上昇局面では鉄鋼株は以外と強い傾向が多いという事実は変わりないと思う。
 
金利上昇局面が短い期間の場合、最後のあたりが株価のピークであり、長い局面では上昇の終わる数か月前に株価がピーク、つまりは織り込みなどもありそうなっていると考えられる。
今回はどうなるのか、金利動向に注視しながら乗り切っていきたいものだ。
 
かつてのFRBの読み通り、インフレが短期間で終わるのであれば利上げやQTは限られることになる。既にCPIは非常に高いのでインフレ動向にも注視してどこまで戦えるか戦略を練り続ける必要がありそうだ。