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利上げの恩恵を多く得られる米銀行株は何か?

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長期金利の上昇圧力が強まっている理由
米国のインフレが加速してきている。特に米国の低所得者は物凄いキツイ状況に追い込まれている。賃金の上昇分を消費者物価指数が上回っており、スタグフレーションに陥りやすい環境であり、現政権への不安は大きくなるばかりだ。
バイデンへの支持はどんどん低下しつつあり、中間選挙を今年は控えている。よってバイデンは相当焦っており、FRBにすがりつく。FRBとバイデンは密接に関わっており、バイデンの意向はFRBも組み取らざるを得ない。
具体的にはこのインフレを抑制するためにFRBができるのはテーパリングの加速、そして利上げ、さらにQTと呼ばれる量的引き締めだ。市場参加者の多くは最近のFRB議事録があってからQTが早くも夏にも起こりうると予想している。このQTが起こると長期金利は上がりやすい傾向がある

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こちらのグラフは2017~2019時のFRBバランスシートの推移と長期金利を重ねたものだ。QT(量的引き締め)が始まると、FRBバランスシートは文字通り縮小する。特にQTの始めの方は長期金利が上昇しやすいことが分かる。よって、それを市場は織り込み始めているため、直近長期金利が上昇しているのだ。
しかし、これは始まりに過ぎない。微調整はあるものの、間違いなく今後、長期金利はさらに上昇する。
 
〇利上げの事を最近言っていたのに、なぜQT(量的引き締め)の話が出たの?
利上げをするということを具体的に言うと、FFレートと呼ばれる政策金利FRBが段階的に上げていくということだ。
政策金利が上がると長期金利が上がると考える人が多いが少し間違いである。政策金利が上がることで上がる金利は、まず短期金利が上がるのである。そして長期金利は少し遅れて上がる。この際、すぐに長期金利は上がらない場合もある。こうなると問題が生じる。
 
では、これによって何の問題が生じるのか。それは長短金利差の縮小で、銀行が金を貸し渋ることが発生する。預金者の貰える金利短期金利、企業がお金を借りる時に使われるのが長期金利である。この長短金利差が縮小すると銀行の利鞘は減る。だから銀行は金を貸し渋る問題が生じ、民間経済に金が流れなくなり、経済がリセッション入りするなどが起こってしまうのである。
だからこそ、QTを行い、長短金利差を改善し、民間経済に金が流れるようにしないといけない。よってQTという話が出ており、投資家界隈を賑やかにさせている。
 
長期金利上昇の恩恵を一番受ける米銀行株は何か?
まず、米国の銀行セクターは大きく2つに分けられる。色々幅広くやる従来型銀行と投資系に特化した投資銀行だ。
それぞれ、S&P500ヒートマップを使って時価総額順に見ていこう。
・色々幅広くやる従来型銀行

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時価総額順ではJPM、BAC、WFC、Cとなる。

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時価総額順ではMS、SCHW、GS、RJF、MKTXとなる。
 
では、どちらがより金利上昇の恩恵を受けられるのか。
恩恵をより受けられるのは、色々幅広くやる従来型銀行の方だ
理由は単純明快。稼ぎ頭が長短金利差を利用した従来型銀行の業務であり、それを多くやっているからだ。
もちろん、投資銀行でも同じような業務を展開しているが、やはり規模では従来型銀行には劣る。
 
よって、色々幅広くやる従来型銀行の銘柄から長期金利恩恵銀行株を選ぶ方が良い
では、これら四つの銘柄で何が一番良いか…
結論BACが一番良い。

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理由としては時価総額TOPのJPMは海外比率2割、米国内で8割で業務を展開しており、米国の長期金利上昇の恩恵を受けられるのは8割であるから。
対し、BACは海外比率1割、米国内で9割で業務を展開している。よって米国比率の多いBACの方がより恩恵を受けるということだ。
海外比率が多いと、まだ長期金利が上がっていない国も多い。よって米国比率の多い方が良いだろう。
では、WFCはどうだろうか?WFCは最近何かやらかしたらしく信頼を一時的に失い、業績が大きく落ち込んだ。総量規制?か何かもあるらしい。ずっと自社株買いも展開していたがその年は出来ず、配当も少なくなり、多くの株が売られた。もちろん再発防止に取り組んでいると思うが、銀行はやはり信頼が一番大切であるため、それなら安全な方を選ぶのが金を借りる側の心理だろう。
よって安全策をとるのであれば、BACを選ぶことになる。
ではCはどうだろうか。これは単純に規模がBACより劣るのと、海外投資家がわざわざCを買うか?それよりBACの方が知名度もあるし、大きいからこっち買おうという投資家が多いと予想する。また、CのPBRは0.69と日本の銀行株のようだ。米国でここまで割安に見捨てられているのは正直珍しい。多分何か理由があると見るのが妥当であるため、あえて避けるのが得策だと個人的に思う。
 
よってBACが米国の主要銀行株の中でも一番長短金利の恩恵を受けられる銘柄であると結論づけたい。
 
〇買い時はいつか?
景気敏感たるもの、安く買って利益を取りにいきたいものである。
少なくとも私は日本の銀行株で数多の損切りを繰り返してきた男だ。景気敏感の怖さを歴が浅いなりに知っているつもりだ。
 
結論、CPIと米銀行株の決算以降に買い向かうのが良いと考える。
 
CPIはインフレ度合いを知るための重要な指標であり、これがしっかりと予想通り高ければかなりの確率でバイデンとFRBは焦ることになるだろう。
焦るということは利上げ回数を増やしたり、早期にQTを実施してくる可能性が高まる。つまりは長期金利の上昇に繋がり、銀行株が連想され買われるという見立てだ。
しかし、このCPIが以外と小さく予想を大きく下回るとバイデンやFRBは安心し、利上げ回数を上げず、QTも少し遅れる可能性がある。そうなると長期金利の上昇は遅くなり、銀行株は売られる(調整に入る)可能性も考えられよう
よってCPI前に買って高値掴みで焼かれるよりかはしっかりと確認した上で順張りで戦っていくほうが、株の値上がり恩恵を低リスクで取りにいけるということだ。
インフレ事実があれば必ずバイデンやFRBは焦り、策を講じてくるはずだ。よって底堅い展開も予想できる。
 
続いて、米銀行株の決算CPIの発表は2021/1/12(水)、そこから数日で米株は決算シーズンへと移行する。
1/14からWFC、JPMとガンガン発表される。決算は言わずもがな重要であるため、決算を踏まえた上で戦いに挑むのが良いだろう。
しっかりとコンセンサスを超えているか、今後の見立ては大丈夫か、色々確認することがある。
CPIが想像より高く、高確率で恩恵を受けられそうなら、決算が多少悪くてもすぐ再度上がってくる可能性も考えられる。
 
よって安全に勝ちにいくならCPI&決算後、勝負しにいけるならCPI後が購入タイミングとして適切かと思う。