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日本製鉄の出口戦略について

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本記事では日本製鉄の出口戦略(利確ポイント)を探ることをテーマとしてブログにします。
本記事を書いた日程としては2022/1/18となります。
私は2022/1/17前場に成行で株価2222.3で全株利確し、現在は日本製鉄ホルダーではありません。
それでは早速見ていきましょう。
 
〇チャート分析(テクニカル)
こちらが現在の日本製鉄のチャート(2021/1/18/10:40分時点)

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直近高値から5%ほど下落し、かなりキツイ下げを記録した。こちらのチャートは1/18日の10時40分時点のチャートだが、既に非常に大きな出来高を伴っている
海外投資家や機関筋が多そうな雰囲気だ。個人は迷っている方も多くいると見られる。
最近まで連騰していた節もあり、調整は大きめのように見える。
押し目を待っていた個人の買いと機関筋等の売りから大きな出来高帯を作りそうだ。
短期筋では売るべきだと個人的に感じる。ただ、長期ホールドの場合は耐えるべきタイミングであるかもしれない。
昨日の夜にレーティング引き下げという非常にタイミングが悪い時にレーティングが発表されたため、これが今回のキーのようにも見える。
これから正直どちらに振れても可笑しくないが、以前のようにみるのであれば、短期的には厳しい状況が展開されそうな気がする
しかし、バリューシフトによるしつこい買いが売りを上回るのであれば、再度高値を狙って上昇すると思われる。
 
〇私が日本製鉄を利確した理由について
まず、前提として私は景気敏感株で何度も何度も損失を出してきた。
主に小型の景気敏感株なのですが、高値で掴む自称天才だ。
そこで多くの奈落に落ちる光景を持ち株の下落と共に見届けてきた男でもある。
絶望を何度も何度もくらったのである。
なので、常に警戒感を持ち、トレードに励んできた。
上がっているときは勝者の自己バイアスがかかる。みんながパーティー気分の時にその会場からいなくなる決断をしなければならない。
そこからくる教訓も活かして利確を断行した。それでは利確した詳しい理由を見ていこう。
 
利確した理由①
高値で陰線がつく可能性があると判断したため
これは単純に寄り付きの始値よりも低い終値をつけることで陰線が登場するものだ。

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結果的に前場にグッと上げて、そこからズルズルと落ちていった。
利確売りがこれの原因だと思うが、2180~2300は非常に利確売りが多く発生すると前回の下落したポイントの出来高から推測できた
だから重くなった雰囲気を前場に感じたため、前場成行で株価2222.3で欲を出さず決済した。
 
利確した理由②
直近11連騰という驚異的な上げを記録していたから
押し目もなく、ずっと上がってきた。
これの材料としては海外投資家や機関の買いだ。金利の急上昇を背景にバリューシフトが起こり、グロース株に入っていた資金が日本の割安シクリカル銘柄に流れてきたのだ。
これはファンダメンタル的な上げではなく需給によるものだ。
需給による上げは本当に強いと感じたが、それはチャートが崩れると大きな下げ要因にもなる
 
前回の日本製鉄銘柄研究②にも書いたが調整が来るのではないか?買うならそこで買うべきだと書いた。
前回の記事はこちら↓
なので、近いうちに大きな調整があると見込んでいたのだ。ツイートでも何度も言っていた。
よって雲行きがの怪しさの見えた時にすぐに利確したのだ。

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利確した理由③
2180~2300の出来高帯がやっぱり気になったから
レンジを何度も繰り返してきた日本製鉄にとってこの出来高帯は地獄の重さを秘めていると感じている。反対にここさえ抜けられると、軽くなり大きく今後も上昇していくと予想していた。
前回の転換社債発行の発表日あたりでは悶絶の出来高3500万株である。
これにプラスして前々回やその前にもこの出来高帯には多くの出来高があり、売る人も押し目と思ってナイフを掴み買った人も多くいる。だからとても重い。
よってすんなり抜ければ持っていたかったが、雲行きが怪しく、落ちた時に処理が大変だと思い、やや薄利で利確を決めたのだ。
 
以上の三点が利確を検討した大きな理由であり、これに応じて機関筋も短期的に売り浴びせをしてくると思ったのが、今回の利確をより確定的にさせた理由だ。
中国や韓国大手鉄鋼の決算も控えていることから、売りが波及する可能性も考えられる。これもあまりよろしくないので利確した理由だが、やはり需給面で見られている現在にとってオマケ的な位置付けであると判断したので、付け加え的に書いておくことにする。
 
〇現在の鉄鋼市況状況について
市況を一括で確認出来るよう昨年9月に市況確認用ブログを書いているのでこちらでも確認できます。
リンク
・国内市況の現状(昨年12月市況)
 
鉄スクラップ(電炉確認必須)→直近調整局面にありつつも依然として高値圏
異形棒鋼→高値圏横ばい
H形鋼(大型建材向け)→高値圏横ばい
黒ガス管(高炉生産)→2008高値圏超え史上最高値更新中
等辺山形鋼→高値圏横ばい
コラム(大型角形鋼管、斜陽事業)→2008高値圏超え史上最高値更新中
熱延鋼板→2008高値圏超え史上最高値更新中
冷延鋼板→2008高値圏超え史上最高値更新中
厚板→2008高値圏超え史上最高値更新中
軽量C形鋼(小型建材向け)→2008高値圏超え史上最高値横ばい
 
依然として国内市況は強い内需により高値圏を維持し、中には史上最高値をたたき出し続けている鉄鋼製品も多い。堅調である。
主要な鉄鋼製品(高炉メーカーにとって業績に大きくインパクトを出す製品)を線で引いた。
これらをみると国内市況は非常に堅調であり、好業績を期待できると言える。
さらに直近では鉄鉱石価格、石炭(コークス)等、原燃料価格は調整局面にある。特に石炭価格は昨年6月圏まで下落しており、これは中国の鉄鋼メーカーが減産に入っている恩恵があるためだ。
つまり、原燃料価格と鉄鋼製品には大きなマージンが生まれ、国内においては前回の強い決算を超えた好業績を期待できるだろう
 
・海外市況の現状(昨年12月市況)
 
アジアホットコイル(熱延)市況→昨年7月をピークに下落。昨年4月圏まで落ち込む
中国→市況軟化でマージン悪化。大幅下落し、直近少し上向き。昨年4月圏。今年から値上げ予定。
韓国→内需堅調高値横ばい。
米国→直近最高高値からは下落継続、だが依然として高値圏。熱延市況昨年4月圏。
 
外市況は直近高値から調整局面にあり、特に中国の下げ影響が大きい。やはり中国不動産デフォルト懸念があって、中国の50%を占める建材需要が落ち込んだことが理由として挙げられるだろう。
アジア市況(インド等を多く占める)は中国の安い鋼材が流入し更に軟化。以前立てた懸念点をしっかりと踏まえた結果となった。
以前の懸念点を示したブログはこちら
リンク
韓国は日本と同じく内需堅調で高値継続。
米国は調整局面に入っている。輸入した中国鋼材の影響か?
次の決算では日本製鉄の予想通り、海外市況はマージン悪化となりそうだ。どこまで健闘してくれるか見ものですね。価格転嫁をうまい具合に進め、採算確保に期待したい。
 
 
以前からファンダメンタル的に特に変わりがない。あまり、今回の上げでファンダメンタルは見られていない可能性もある?(詳しくは)
どちらにせよ直近は大丈夫そうだが、やはり不透明感と戦っていかねければならないのが鉄鋼業という業種である。常に新しい鋼材市況を把握し、判断していくべきであろう。
 
〇直近の懸念点は何?
需給の悪化これに尽きる
以前の現状把握記事で書いたように特出した懸念点は最近見当たらなかった。なので、懸念点が実質無く、バリューシフトの恩恵を受けて、海外投資家や機関筋の大量買いのおかげで上がっていた。おかげさまで需給も改善傾向にあった。
 
しかし、一度チャートが崩れ、需給が崩れると長らく停滞する可能性がある。
これは2Q決算前から持っていた日本製鉄ホルダーには非常に共感してもらえる話だと思うが、一度下げて連鎖的に下がり始めると全然上がらなくなる。信用買いが上値で取り残され、即座に海外投資家や機関筋は売り抜け、売り浴びせをしてくる。
こうなると非常に厄介だ。
なので直近の懸念点は需給の悪化これに尽きるのである。
 
需給の悪化は何かしらの材料が無い限り、時間経過でしか改善されない。決算が良くてもそれが織り込みされてしまうと上がらないのである。
よって、需給の悪化が起こる前に手仕舞いするのが定石であると考える。
 
反対に需給の悪化が起こらず、ここから跳ね上げて多くの出来高価格帯を突破できれば大きく株価は飛躍すると考えられる。
 
〇今、日本製鉄は買うべき?ホールド継続?売るべき?(出口戦略)
◆買いについて
今は需給の悪化を見越して買いを控えて、調整しきったら買い向かうべきである。
やはり懸念すべきは需給の悪化であり、落ちるナイフをつかまないことが大切である。
もちろん、買うべき理由はたくさん挙げられるが需給はすべての材料の優先度を超える。
需給こそ一番大切なので買うタイミングはしっかりと分析したほうが得策だろう。
私も虎視眈々と狙っていく。
 
◆日本製鉄ホルダーについて
結論、選択肢は二つある。
・直近の信用の重さや需給による下げを回避するために利確or損切りを断行する
・長期で配当金を貰いつつ、再浮上&最高値を狙う
短期目線なら利確か損切りした方が良いです。需給は非常に厄介なので。
すんなり反発してくるようなら大丈夫かもしれませんが、一度悪くなると意外とズルズルいくのが日本製鉄です。これは数か月持ってみて感じたこと。あくまでこれまでの話なので今回はすぐに再び上がる可能性も否定できません。
 
ただ、長期で投資する場合、正直、将来の鉄鋼業に投資をするかという問題になってくる。
将来的に世界の鉄鋼業は脱炭素に向け、生産より一定量のマージンをしっかりととっていく体制になると考えられる。
また、2022年ではインド、ASEAN、米、EUで鉄鋼の需要は増えるとしている。
 
日本製鉄を信じるか、ここが今後の決め手である。
 
この鉄鋼マージンバブル以降も、しっかりとマージンを確保し、事業利益6000億円をコンスタントにとりつづけることが予想できるか?
 
もちろん、2022で事業利益6000億円、達成できなければ諸々シナリオを考え直して損切りしないといけない可能性もある。
市況も悪くなるかもしれない。中国が安い鋼材を世界にバラマキして採算が悪化するかもしれない。円高が急に進んで利益をあげにくくなるかもしれない。
 
それでもバリューシフトが起こり、最近までと同じように再度買われるビジョンを描くことができるか?
 
日本株の個別投資で外国人投資家より優位性をとれるのは、調査に調査を重ねた日本人だけ。
 
でもやはり大切なのは自分が日本製鉄を買った理由であり、人それぞれのエントリーポイントがある。
自分の日本製鉄に対する考えを一番に判断してほしいと思う。非常に扱いが難しい株であるが故、検討を祈ります。