ちまおblog

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鉄鋼2Q決算を受けて(順次更新)

5401日本製鉄 ☆本命のテツ☆
粗鋼生産量日本一。世界5位。技術力。高級鋼板で圧倒的。
 
今期最終益を41%上方修正過去最高益をさらに上乗せ。3Q以降(下期)最終、前年同月比39.4%増。
配当55→70(中間のみ)、期末未定だが55~70くらいかな?たぶん利回り7~8%。
 
理由・考察:価格転嫁成功。ひも付き価格是正。損益分岐点の改善。グループ全体としても好調。海外グループの収益向上。
 3Q以降詳しく書かれていなかったが、このまま価格転嫁など強気姿勢を維持する可能性が高い。
 また、『外部環境にかかわらず一定以上の利益を確保し うる収益構造(2025 中長期経営計画目標 ROS10%程度)の構築に向け着実に推進中』とあるので鋼材の価格を下げるというのはすぐにはしないかもしれない。もし、下げるのであれば海外市況による連れ安か、原材料が安くなって価格を下げてもしっかりと利益を上げられる時だろう。
 流石に日鉄がこの目標を掲げているので、鋼材価格についてはミスらないと思う。
 また、鉄鋼新聞による鋼材価格値上げニュースはしっかりと日本製鉄がやってると信じて良さそうだと今回の決算で分かった。
 とはいえ外市況は不透明であるため、今後も注視する必要がありそうだ。目指せ爆益☆
日本製鉄系大手電炉メーカー。棒鋼、線材など建設用鋼材に強み。
 
○今期営業利益、赤字修正。通期予想5億黒→5億赤。
 配当30→20。
 
理由:鉄スクラップ上昇。価格転嫁上手く出来なかった可能性大。
 
後半値上げ浸透も前半不調が響く。主原料である鉄スクラップ価格が想定を上回ったこと等により、営業損益は前回公表値を下回る見通し。
 
5423東京製鐵☆オススメ☆
電炉首位建材向け主力。熱延板。機動的な価格転嫁のプロ
 
今期経常45%上方修正3Q前年同月比15倍。急拡大
 配当16→25
 
理由:機動的な価格転嫁を成功させた。流石、電炉首位。圧巻。
   海外の鋼材需給逼迫に上手く波乗り成功
   3Q以降見通し、国内、海外共に建材向け鋼材の需要は堅調原燃料の価格上昇価格転嫁で対応。増収増益

5440共英製鋼

関西電炉大手。棒鋼、ネジ節棒鋼に強み。ベトナム鉄鋼比率高い
 
○今期営業利益20%下方修正。下期特に下方キツイ
 
理由:鉄スクラップ上昇。価格転嫁上手く出来なかった可能性大。
   ベトナムロックダウン弱し。一方北米堅調。
   電力費、合金鉄上昇も下げ要因。
 
5444大和工業 ☆オススメ☆
電炉大手。H形鋼が主力。米国、中東の海外比率が高い
 
○今期経常28%上方修正下期経常3.8倍。急拡大
 
理由:タイ事業、中国減産より東南アジアでの競争緩和。増収増益
   米国非住宅建設向け需要高い。鋼材需給逼迫
   価格転嫁かなり出来たH形鋼、強し
   高炉メーカー、鋼板に注力していた。
 
5445東京製鋼
電炉中堅。建材向け棒鋼が主力。ネジ線棒鋼国内シェア過半。国内
 
上期、赤。2Qも赤。3Qもさらに赤。残念過ぎる…
 
理由:原価(鉄スクラップ、合金鉄)の高騰。価格転嫁出来てない可能性大
   価格転嫁に時間かかる…(決算より)
   経費の支出、大。
 
5449大阪製鐵
日本製鉄系電炉中堅一般形鋼エレベーターレール
 
期経常17%上方修正。2Q、25.8億3Q、9.1億予想。
 
理由:国内、建築向け回復向かうも中小弱し。価格転嫁まあまあ。
   インドネシア、コロナ拡大。先行き不透明。
   3Q以降、コロナ、サプライチェーンを懸念とし予想。先行き不透明。
 
5458高砂鐵工
圧延専業磨き帯鋼に強み。自動車向け多
 
2Q大幅黒。しかし、3Q見通し経常20%減益
 配当0→25
 
理由:直近、圧延、受注量増加価格転嫁も、まあ良かった
   3Q見通し半導体不足影響を反映させたため。
 
5461中部鋼鈑
圧延専業。産業・建機向け。国内最大級の電炉を持っている。
 
今期経常77%上方修正下期前年同月比5倍に急拡大
 
理由:2Q価格転嫁出来ず。減益。
   しかし下期国内外の圧延の需要高い価格転嫁も進むことも見込んでいる?
   販売数量、販売価格共に伸びることを予想した。
 
5464モリ工業 ☆オススメ☆
ステンレス溶接管主力。自動車向けが多い。
 
上期経常2.5倍。下期、経常13.6%増。やや鈍化
 
理由:ステンレス管、ステンレス条鋼→受注増、価格増
   鋼管→かなり価格転嫁を段階的に頑張り、業績に大きく貢献
   価格転嫁力、優秀。
   見通しはステンレス鋼市況、ニッケル市況に強く影響。見通せない
   →投資家はモリ工に投資するなら、ここらへんしっかり見るべし。
   
特殊鋼世界最大日産ホンダ、自動車向け
 
今期経常8%下方修正3Q経常利益16.8%下方修正
 
理由:2Q自動車向け特殊鋼、売上増
   価格転嫁はそんなにできてない
   3Q以降、原燃料価格高騰、サプライチェーンを懸念とし予想。
 
神戸製鋼傘下、特殊鋼主力。鋳造→建機、産機向け
 
上期経常上振れ着地。しかし進捗率しょぼい通期予想変わらず
 
理由:特殊鋼、売り上げ増加、価格転嫁もややできた
   鋳鉄、金型工具系、売上増加
   インパクトに欠ける。
 
ステンレス大手。ニッケル精錬から圧延まで一貫
 
上期経常2.5倍3Q前年同月比51.9%増
 上期経常6200、通期予想10000。
 
理由:ステンレス特殊鋼需要堅調
   原材料高によるロールマージンの確保成功
   →価格転嫁できた。 
   3Q以降については、急激な原材料高中国景気減速等を踏まえ、予想。
   需要は底堅いが、ロールマージンを取り続けることが出来るかがカギ。
 
5481山陽特殊鋼 ☆オススメ☆
日本製鉄子会社の特殊鋼メーカー。国内トップ。海外比率高い
 
2Q経常予想上回り着地通期同損益も33.3%上方修正
 配当55→60。
 
理由:上期、鉄スクラップ想定より低位で推移。
   スウェーデン子会社obakoの販売構成比率改善。増益
   下期の業績は原燃料、鉄スクラップなどの上昇懸念があるが価格転嫁で前回予想より増益を想定。
   産業機械、建設機械向けの需要が引き続き好調。懸念に関しては、しっかり価格転嫁していく姿勢がステキです。
 
自動車向け特殊鋼大手。トヨタグループ建築、土木系にも強し。
 
上期黒転3Q経常利益前年同月比75.5%減。マジかよw
 
理由:上期特殊鋼の値上げ、数量増。ただ、そこまで価格転嫁出来ていない可能性有
   3Q以降は、やはり車向け特殊鋼であるため、半導体不足、サプライチェーンの混乱に深く影響を受ける模様
   投資対象銘柄としてオススメできない…
 
5484東北特殊鋼
電磁ステンレス鋼大同特殊鋼
 
上期経常2.1倍着地3Q以降経常利益、13.6%減
 
理由:特殊鋼、売上増2Q自動車向け堅調。
   価格転嫁はあまりできていないような印象。
   3Q以降、自動車産業の減産の影響は、今後の特殊鋼業界へ波及するものと予想
   
 
5486日立金属
高級特殊鋼ネオジム磁石など。海外比率高め
 
上期経常黒転3Q以降、黒字だが小幅
 
理由:設備投資増加自動車関連、2Q前年と比べて回復、黒転
   3Q以降、コロナ拡大、サプライチェーンを懸念とし微黒で予想。
   インパクトに欠ける。
 
5491日本金属
圧延専業。ステンレス冷延板。自動車部品、家電向けが主力。
 
○2Q、赤字予想から黒転3Q以降、小幅黒字
 
理由:利益率高い加工品セグメント、回復早かった。
   原材料高による価格転嫁のおかげで黒字
   3Q以降原燃料高による懸念を踏まえての予想。
   インパクトに欠ける。
 
5603虹技
鉄鋼鋳型マンホールの蓋工作機器向け。
 
上期経常赤転。3Q以降、黒転
 
理由:価格転嫁に苦戦
   鋳型は、鍛鋼・厚板向けが低迷
   3Q以降、やっと価格転嫁の結果がでるか?
 
5609日本鋳造
JFE列。鋳鋼、鋳鉄メーカー。建機
 
今期経常減益3Q経常利益、前年同月比33%減
 
理由:売上減少。価格転嫁、反映出来ず
   原材料高にやられる。
   3Q以降、大型案件22年度以降に遅れる。原材料高を懸念
 
5612日本鋳造管
鋳鉄管3位。JFE系。
 
上期経常48%減益3Qも結構弱い。
 
理由:価格転嫁にはタイムラグがある。
   →価格転嫁出来ず。原材料高に負け減益
   3Q、原燃料高、価格転嫁のタイムラグを懸念とし、予想。
   かなり弱い印象。
 
5659日本精線
大同特殊鋼系。ばね、ネジ、金網など多彩。半導体に顧客。
 
上期経常2.4倍増益着地。3Q以降、程よく経常利益ある
 
理由:売上増。極細線、ガスフィルター、特に。
   ステンレス鋼サプライチェーン懸念も価格転嫁で堅調。LME高止まり。
   3Q以降は2Qと同じように推移?懸念材料見込んで、前回予想から変更なし
   普通に良い決算。織り込み済みで片付けられそうな感じ。
   
5697サンユウ
日本製鉄系磨き棒鋼。CH線専業二次加工メーカー。
 
今期経常35%上方修正3Q以降(下期)、経常利益前年同期比50.6%減
配当14→20
   
理由:上期建産機業界、回復傾向。価格転嫁も出来た
   しかし、3Q以降、車減産、半導体不足、原材料高の懸念を踏まえ予想。
 
米国株 ユナイテッド・ステイツ・スチール
北米および欧州で圧延・鋼管自動車、家電、コンテナ、産業機械、建設、石油・ガスなどの業種向けに事業を展開。米国総合大手鉄鋼
 
予想より上回ったっぽい。三億ドルの自社株買いを発表。増配
 アナリスト高評価『自社株買いと非常に力強いフリー・キャッシュフロー(FCF)を考えると同社株が大幅に買われるのは驚きではない』
 
(7-9月・第3四半期)
・1株利益(調整後):5.36ドル(予想:4.87ドル)
・売上高:59.6億ドル(予想:58.0億ドル)
・EBITDA(調整後):20.3億ドル(予想:20.1億ドル)
・FCF:13.3億ドル(予想:13.0億ドル)
・鉄鋼出荷量:4123トン
・フラットロール鋼の平均実現価格:1325ドル/トン(予想:1268ドル)
・鋼管の平均実現価格:1702ドル/トン(予想:1822ドル)
 
決算報告に翻訳かけました↓
記録的な純利益、記録的なEBITDA、記録的なEBITDAマージン、記録的な流動性、記録的な安全性、記録的な品質と信頼性など、私たちは記録を更新し続けています。
U.S. Steelの社長兼CEOであるDavid B. Burrittは次のように述べています。「当社のバランスシートは変革され、事業のキャッシュフロー創出により、当社の既存の競争優位性を拡大する有機的成長のための投資を前もって行うことができることに大きな自信を持っています。私たちはBest for AllSMの未来に向けて、より早く前進しています。」。
当社の戦略について、Burrittは次のように述べています。「事業に投資するか、株主に直接還元するかのどちらかではなく、その両方です。当社の未来には、3億ドルの自社株買いプログラムと1株当たり0.05ドルの四半期配当が含まれています
これまでの成果を株主の皆様に直接還元するために、3億ドルの自社株買いと0.05ドルの四半期配当を実施します。私たちは、この新しい高性能ミニミルの長期的な価値を確信しています。
私たちは、持続可能で差別化された鉄鋼を生産するという競争上の優位性をさらに拡大することで、この高機能な新ミニミルが生み出す長期的な価値に自信を持っています。
差別化された持続可能な鉄鋼を生産するという当社の競争力をさらに高め、長期的な価値を生み出すと確信しています。私たちは、ミニミル部門の業界トップレベルの実績を基に、「大きくする」のではなく「良くする」ことを目指しています。
当社は、ミニミル部門の業界トップレベルの業績を基に、将来にわたって株主に報いるビジネスモデルを構築することで、大きくするのではなく、より良くしていきます。
 
3Q以降がちょっと分かりませんでしたが、自社株買いを計画するということは、何か株価が上がると経営陣は予測している可能性が高いと見ます。
 
総括(現時点)
・価格転嫁ができた企業は業績が良い傾向にある。
・3Q以降の原燃料高、サプライチェーン懸念を織り込み、それでも良い業績予想をする鉄鋼会社は価格転嫁力にキラリと光る魅力がある。
・やはり3Q以降は様々な懸念より、車減産が顕著に見られる。自動車向け鋼材を作る鉄鋼会社には厳しい局面だ。